第4回国際理解セミナー(ロシア編)ご報告

 

2004年7月3日(土)午後2時より貝塚市職員会館で第4回国際理解セミナーが開催されました。

今回は、ロシア極東ウラジオストック出身の大阪大学留学生ザイチェフ・ディミトリーさんから最新ロシア事情をお話していただきました。

 


歴史的には深くて長いつながりのあるロシアですが、それだけに「なんか暗い」「お酒を良く飲む」などの固定したイメージがあるのも事実です。

最近は海外旅行が増えたとはいえ、外国についてはテレビなどのマスコミ情報が主体です。そのマスコミが一般受けするステレオタイプの情報、つまり売れるニュースにかたよってしまうのも一因でしょう。ジャーナリズムの経験もあるディミトリーさんは「とにかく大切なのは自分自身の目で確かめることだ」と強調されていました。


日本に来て驚いたことはトイレのスリッパ。ロシアではトイレは清潔にしているのでスリッパはありません。お風呂は一人ではいるので日本のように親子ではいることはないそうです。友人のべトナム人の話ですが、ホームステイ先のお父さんにお風呂に誘われて背中の流し合いをしたそうです。
「いくら」と「よいしょ」はロシア語由来だそうです。

 

日本の外交官がロシア語を勉強しているのは、平和条約や北方領土などの問題があるから。子ども達の戦争ごっこで一番人気は「昔赤軍、今アメリカ軍」だそうです。ソ連体制解体には国民の99%が反対していたこと。その後貧富の差は拡大し、サッカーチームを買えるほどの大金持ちが出現したことが変化の激しさを物語ります。ペレストロイカで自由になったのはいいことだが、社会問題も増え一概に評価できないそうです。なおロシアの原潜放置はマスコミに報じられているようなことはなく、処理工場に格納されているのでご安心を。

 


一般的なロシアの家庭では子どもは一人か二人。教育熱心で、とくに楽器などを幼いころから習うそうです。ディミトリーさんも子どものころピアノを習わされていたそうです。

子どもを大切にするのは当たり前で、日本やアメリカなどのような虐待はなく、体罰も含めてきちんとしつけているそうです。いまどきの若い世代は日本や欧米と変わらないそうです。

ロシアでもそうですがあまりにアメリカ志向に過ぎるので、もっと自国の文化に誇りを持って大切にしましょう。そしてこれからも互いの理解のために積極的に交流しましょうと締めくくりました。

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